ゴム複合化による磁気シールド

製品名称 ゴム複合化による磁気シールド
材質 特殊ゴム
概要

ゴムの複合化技術とは?

ゴムの複合化技術とは、ゴムに他の素材を混ぜ合わせることで、元のゴムにはない新しい性能や機能を持たせる技術です。ゴムの母体であるポリマーの柔軟性・弾性を活かしつつ、他の物質の特性を融合することで、まったく新しい機能性を付与します。

例えば、小野ゴム工業の複合化技術は以下のようなシーンで活用されます。

  • ・特定機能の付与:金属粉や磁性体を加えることで導電性・磁気シールド性・電磁波シールド性を付与
  • ・放熱・耐熱機能:熱伝導フィラーを複合化し、放熱性や熱安定性を向上。

お客様のお悩み

お客様からの最初のご相談は、「ゴムに金属粉を混ぜて、磁気シールド機能を持たせたい」というものでした。多くのゴム加工会社では設備の関係上、「金属粉を混ぜると設備が壊れる」懸念があることから、そもそも製造自体を断るケースが多いようです。

一方、小野ゴム工業の場合は、金属粉やセラミック粉などを混ぜる特殊な混錬技術を40年以上にわたって蓄積しており、少量試作から量産まで一貫対応できる複合化設備とノウハウを持っています。小ロットや1点物の加工も得意としているため、研究開発案件や試作段階でも柔軟に対応できるような体制を整えています。

開発プロセス

お客様との開発は、次のような流れで進められました。

  • ・小型試作からスタート:最初は1リットルの小型混錬機を用いて試作を実施。混ぜ合わせが可能か(=練れるか)、物性が目標値に近いかを両社で評価。
  • ・性能評価と改善:試作結果をもとに、金属粉の分散性・磁気シールド性能・導電性・加工性を確認。必要に応じて配合比率や混錬条件を微調整。
  • ・量産試作へ移行:初期試作で問題がなければ、量産ラインへスケールアップ。当社内で成形工程まで一貫対応するケースも多く、今回は同様にご依頼いただきました。

結果・効果

金属粉を均一に分散させることに成功し、安定した磁気シールド性能を実現。

小ロット対応により、開発初期段階での試験評価がスムーズに実施できた。

将来的な量産を見据え、材料配合から成形まで一貫した供給体制を確立。

技術情報

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ゴムの複合化技術